本研究では, 食情報を受け取る側と食情報を提供する側から食情報の問題を捉え, 読み取り方を考えることにより, 食情報を主体的に判断することを促す授業の設計を試みた。作成した授業を「家庭基礎」を選択している附属福山高等学校1年生を対象として2008年11月に実施した。授業評価として, ブルームの認知領域の学習水準を基に評価の観点を作成し, ワークシート記述から読み取った生徒の意見を分類した。ほぼ全員の生徒が食情報を主体的に判断することの重要性に気付き, さらに8割程度の生徒がその読み取り方を「理解」以上の水準で認識していた。食情報を主体的に判断することに対する認識と実践にはずれがみられたが, 食情報を主体的に判断することに対する認識が高い者は実践への意識も高い傾向があった。以上より, 本研究で提案した授業から, 食情報の主体的判断の認識と連動して, 食情報を主体的に判断することに対する実践力を高める工夫を行うことが今後の課題として考えられた。