実習生の教育実践力向上に資する条件整備, 実習指導のあり方を探るため, 学習指導要領で重視の方向性が示されている図画工作科・美術科鑑賞領域の学習場面を取り上げて行った事例研究である。研究二年次にあたる今年度は, 昨年度導き出された課題をもとに, ①実習生が行う鑑賞授業における目標設定から鑑賞作品選定までのプロセスの検討, ②授業設計の具体化とそれを見取るための観察録の作成と検討, の2点に焦点化して改善事例の検討を進めた。その結果, 指導教員が上位目標設定をすると同時に, 下位目標や教材を実習生に設定させることは, 教育実習の質を高める効果的な方法であった。また, 観察録を用いた鑑賞学習の観察は, 実習生に観察の視点を与え, 観察内容やその後の授業評価を質的に向上させるなどの効果が認められた。