目的: 家庭科の食に関する取り組み, および総合学習の職場体験という教科学習を通して, ヘルスプロモーションの視点から, 健康に関心をもつための課題について考察した。研究方法: 中学1年生を対象として高齢者の食に関する学習の前後と9ヶ月後に調査を行った。中学2年生には職場体験前後に調査を実施した。教科学習の学びと食や生活習慣との関連を検討した。結果・考察:自分の体に気をつける必要性を感じている生徒は, 自分の食に健康管理を結びつけており, 自分だけでなく高齢者の健康への意識も高いと考えられた。中学生までに自分の健康や食を中心とした生活の組み立てを身につけておくことが課題と考えられた。時間経過と共に学びは弱まる傾向が認められ, 生活との関連づけによって学びを維持することが重要であると考えられた。職場体験前に疲労を予測した生徒は, 男子より女子に多く, 男子は持久走タイムが下位, 女子は上位の生徒に多かった。職場体験は, 男子は持久力の必要性, 女子は不安や緊張の軽減という働き方を学ぶ機会になると思われた。教科学習を基盤として, 多様な世代や場における健康の実践課題に気づくように, 生徒を支援できる可能性が示唆された。