「聞くこと」「話すこと」に特化した従来の学習指導要領から, 移行措置対応として「読むこと」「書くこと」の学習活動を充実させることが求められているため, 「読むこと」への関心が低い本校の生徒に対して, 「読むこと」へ関心を高め, 読解力をつける学習教材および学習指導方法の開発に取り組むことを責務と感じた。本校の実態を考えてみると, 英語科の定期テストや実力テストで長文問題を出題し, 読解力を問う問題を出題すると, 正答率が下がる傾向にある。その理由を生徒の分析文から考えると, まとまった英文を読むためには, 制限時間内でできるだけ速く正確に読むこと, 単語力をつけること, 速く読んでも内容を理解する読解力をつける指導が必要であると分かった。そこで本研究は, コミュニケーションの中で基本的な語彙や文構造を活用できるための必要な基礎学力を, 読むことを通して培うことによって, 物語や説明文などのあらすじや, 大意や概要を読み取ることができる力, 読解力を育むための学習教材および学習指導の開発するために必要な基礎データをとったり, その学習効果を調べたり, 問題点を明らかにすることを目的とした。