学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

新学習指導要領に対応した保健の授業の創造 : 養護教諭とつくる「AEDで命を守る」授業

Health and physical education class for new curriculum standards : The collaborative class with a school nurse "life saving with AED"
柳田 有子
矢部 裕子
小林 真紀
石井 良昌
松岡 重信
全文
1.29 MB
AnnEducRes_37_183.pdf
Abstract
新中学校学習指導要領が2008年3月に告示された。保健の内容において, 「応急手当には, 心肺蘇生等があること」という文言が加えられた。また, 今回の授業実施後に発表された高等学校指導要領改訂案(保健)においても, 「心肺蘇生法等の応急手当は, 傷害や疾病によって身体が時間の経過とともに損なわれていく場合があることから, 速やかに行う必要があること」の文言が盛り込まれた。これらは, 2006年の「救急蘇生法の指針」の改訂の中でAEDの使用が応急手当の手順に加えられたことやそのことに連動して心臓マッサージが一層重視されるようになったという動向を受けたものである。大阪ライフサポート協会は, 「救急蘇生の最終目標は, 突然緊急事態に際した人の命を救い, 健康で後遺症に悩まされることのない幸せな人生を確保することである。そして, 救急蘇生の原点は, 倒れた人・急変した人に向かって勇気をもって第一歩を踏み出すことである。」と, 多くの人が心肺蘇生法を理解し実施できるようになることの必要性を説いている。このような情勢を受け, 生徒たちに対して, いざという場面に出会ったとき, 勇気をもって対処できるような力を育みたいと考え, そのための授業のあり方を検証することとした。