学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

中学生における歯周疾患実態調査および歯周病原細菌の分布

Status of periodontal diseases and prevalence of periodontal pathogens in junior high school students
林 文子
鈴木 淳司
河村 誠
全文
1.39 MB
AnnEducRes_37_275.pdf
Abstract
歯周病は歯周病原細菌が感染することによって惹起される疾患である。今回, 2008年度に本学附属中学校に在籍した中学1年生のうち, 保護者からの同意が得られた生徒71名を対象とし, 口腔内診査後, ブラッシングにより採取したプラークから歯周病原細菌の検出を行った。その結果, 被験者の91.5%が歯肉炎と評価された。しかし,Gingival indexおよびBleeding indexともに低い値であったことから, 歯肉炎有病者率は高いが, 軽度歯肉炎の者が多かったと考えられた。また, Aggregatibacter actinomycetemcomitans (A. a), Porphyromonas gingivalis (P. g), およびTreponema denticolaは健康歯肉群からは検出されなかった。さらに, A. a, P. gは歯肉炎群においても低い検出率であった。歯周病の進行を阻止するには, 若年者のうちに早期発見し, かつ予防処置を施すことが重要である。今回, Probing depthが4mmあった生徒もいるので学校での集団健診を活用し, 歯周病への関心を高めたいと考えている。