学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

教育実習における理科授業の構想と実践にかかわる力量形成のあり方に関する基礎的研究 : 臨床的指導力に焦点をあてて

A basic study on professional development of science teaching in teaching practice : competence in using both of theoretical and practical knowledge
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AnnEducRes_37_391.pdf
Abstract
本研究の目的は, 小学校教育実習とその実施前に開講されている理科の指導法に関する授業科目(初等理科授業研究)に焦点をあて, 理科授業の構想と実践にかかわる力量の形成に関する学生の認識を明らかにし, 教育実習のあり方について検討するための基礎となる知見を得ることであった。臨床的指導力に関する質問紙調査を実施し, その回答を分析・考察した結果, 理科の授業や学習に関する理論的な知識および学習指導要領や教科書といった理科の学習内容を規定する資料をもとに理科授業を構想・実践する力の形成や, 子どもの実態の特性に関する知識やその実態の分析・解釈を踏まえて理科授業を構想・実践する力の形成については, 初等理科授業研究と教育実習がそれぞれの特性に応じて一定の成果をあげていると考えられることなどが明らかになった。また, 実践した理科授業の成果や課題を理科の授業や学習に関する知識・理論を踏まえて検討・改善する力のような, 理論的知識と実践的知識の往還の根幹をなす臨床的指導力の形成をより一層充実させていくためには, 教育実習と学部の授業のそれぞれのあり方や相互の連携のあり方を再検討していく必要があることなどが指摘された。