学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

食事の楽しさと唾液アミラーゼ・ペルオキシダーゼ量解析から食育指導を目指して

Assessment of salivary amylase and peroxidase related to palatability of school lunch for the promotion of healthy eating
柴 芳樹
岩佐 佳子
丸山 たかね
神野 正喜
井上 麻知子
全文
1.85 MB
AnnEducRes_37_223.pdf
Abstract
総合的な食育指導には各児童の摂食行動のうちで食事時間のみならず, 食事の楽しさ程度を把握することも必要である.これらと唾液分泌能と唾液アミラーゼとペルオキシダーゼ量との関連を調べ, 食育指導に役立つ基礎的な情報収集を目指した.食事の楽しさ, 食事時間や食前の唾液量により唾液アミラーゼ量の変化が認められた。唾液ペルオキシダーゼ量も食事時の楽しさにより変化が認められた。さらに食事時に楽しさを感じない時は, 食事前の唾液アミラーゼやペルオキシダーゼ量も低下していた。これら変化は口腔内健康に影響すると考えられ, 食事時間を楽しく過ごすことの重要性が示された。唾液性状を調べることで食事時間の過ごし方の評価と, その評価に基づく食事行動の適性化の可能性が示唆された。