学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

「織りと衣が語る日本とカンボジアの女性たちのライフ・ストーリー」をテーマとした高等学校家庭科の授業構築

Home Economics Teaching in Secondary Schools Based on Life Stories of Japanese and Cambodian Women through Their Clothes
佐藤 敦子
全文
1.67 MB
AnnEducRes_37_259.pdf
Abstract
高等学校普通教科「家庭」においては, 家族・家庭生活の意義, 家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させることが目標の一つとされ, それを達成するための内容が設定されている。しかし, 生徒の興味や学習意欲は低く, 学習効果が上がっていないのが実情である。本研究は, このような問題意識のもとで, 衣生活と家族分野を連携させた新しいカリキュラムの構築を目指したものである。日本の伝統的衣装である「きもの」が, 行事以外では着られなくなり, 洋服が衣生活の中心を占めている今日, きものの果たしてきた役割と価値を再認識することは若い世代の課題であり, したがって適切な内容を開発し, 学習させる必要がある。さらには, かつての日本がそうであったように, 糸を紡ぎ, 布を織り, 家族の衣類を作り, また布を売って金銭を得ることは, 織物の盛んな途上国, 特に絹絣の名産地であるカンボジアにおいては女性の重要な仕事である。本研究では, 両国の女性のライフ・ヒストリーを軸にして, 家族領域の内容と被服領域の内容を学ばせながら, 衣の文化の継承と途上国理解を目指した。附属高等学校で実験授業を実践し, 当初の意図に添った良好な研究成果を得ることができたので報告する。