学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

「確かな学力の育成」 : 世界遺産宮島から学ぶ野外教育実践

Education with the recourses of Hiroshima University and in Miyajima (Itsukushima) Island, Hiroshima Prefecture, a UNESCO World Heritage Site.
金丸 純二
向井 誠二
岡 芳香
石原 直久
小早川 喜伸
加藤 秀雄
長野 由知
全文
27.8 MB
AnnEducRes_37_201.pdf
Abstract
世界遺産宮島には文化遺産だけでなく, 豊かな自然や日本の近代化にかかわった遺産が多数存在する。また, 広島大学には理学研究科附属宮島自然植物実験所や理学研究科附属植物生態実験園, 宇宙科学センター附属東広島天文台など多くの教育・研究資産が存在する。本研究では, 教育効果を高めるため, これらのリソースを利用した野外教育実践を行った。本物に実際に触れさせることで, 理科離れを防ぐ効果も期待できる。テキストとして「宮島の植物と自然」を利用し, 宮島で開催された野外観察会へ希望者を募って参加させた。室浜砲台などの遺産について現地を訪れて見学した。また, 東広島キャンパスの理学研究科において現代の生物学に関する講演を聞いたり, 植物生態実験園で植物や生態系に関する話を聞いたり, 東広島天文台で宇宙に関する話を聞く機会を持った。実施後の理解をみるため, 参加した生徒に感想文として報告させた。いずれも日頃直接体験のできない内容で児童・生徒にとって感動が大きく, 実物を体験させることで非常に大きな教育効果が得られた。今回の結果を発展させるため, 来年度以降も同様の企画を継続して実施する予定である。