本論は, 平成23年度より全面実施される小学校学習指導要領に新設される外国語活動を取り上げ, 小学校における英語教育について考察することを主な目的としている。明日からの授業をどうするかを考えることも大切であるが, 中・長期的な展望をもって中等教育段階につながる小学校段階の英語教育を考えることはさらに重要である。本論では, まず, 外国語活動について, 学習指導要領上の位置付け, 特に目標・内容の扱いを確認し, 文字に関する指導と読むことおよび書くことの指導をいかに取り入れるかを検討する必要性を論じた。次に, 小学校で配布される英語ノート(試作版)のシラバスを概観し, 従来の中学校入門期の聞くこと・話すこと中心の指導が小学校5・6年生に移行していること指摘した。最後に, スパイラルに英語表現を配置して繰り返し学習する意義を認める一方で, 小学校高学年の高い学習意欲を中学校でいかに維持させるか等のいくつかの検討課題を指摘した。