学部・附属学校共同研究紀要 37 号
2009-03-31 発行

幼・小連携の音楽カリキュラム開発の基礎的研究(2) : 斉唱時における子どもの歌唱実態に着目して

A basic study of the development of the transition curriculum in music education from preschool to elementary school (2) : focusing on the actual conditions of singing in unison of children.
青原 栄子
大橋 美代子
吉原 智恵美
井上 由子
山中 覚美
東 加奈子
有村 由香
大西 潤一
全文
2.21 MB
AnnEducRes_37_145.pdf
Abstract
本研究では, 斉唱時における子どもの歌唱実態に着目し, 異なる伴奏条件でどのように子どもの歌唱が変化するのか, また自分の声をイヤホンでモニターするのとしないのではどう違うのかについて明らかにすることを目的とした。調査は小学校1年生を対象として行い, 「きらきら星」を次の条件で斉唱させ, 個々の子どもの歌声を録音した。条件は, ①イヤホン・ピアノ伴奏条件, ②イヤホン「大きく元気に」ピアノ伴奏条件, ③イヤホン・アカペラ条件, ④ピアノ伴奏条件, ⑤「大きく元気に」ピアノ伴奏条件, ⑥アカペラ条件であった。評価項目は, 全体の音高の正確さ, どなり声で歌っていないか, 最初の2小節の8つの音高である。分析の結果, イヤホン有りとイヤホン無しの条件では, 音高の一部を除いて, 他のすべての項目においてイヤホン有りの方が得点が高かった。イヤホンによって自分の声をモニターすることによって, どなり声になることが避けられ, 音高も正確になることがわかった。伴奏条件では, すべての項目において, ピアノ伴奏条件>アカペラ条件>「大きく元気に」ピアノ伴奏条件, の順序で得点が高った。1年生では, 歌唱時に主旋律が聞こえる方が正確に歌えることがわかった。