本研究は, 特別支援教育分野における教育相談を実施している特別支援教育実践センター, 特別支援教育学講座, そして附属東雲小学校特別支援学級の3者が連携し, 特別な教育的支援を必要とする, またはその可能性のある児童生徒を対象とした教育相談業務の試行を実施し, 広島大学附属学校園における望ましいセンター的役割について, そして上記3者の望ましい連携のあり方について明らかにすることを目的とした。本研究の結果, ①今回は校外からの教育相談を試行するに止まったため, 今後は校内支援体制の確立・拡充を目指す取り組みを行う必要があること, ②そのような取り組みを実施することにより, 通常学級担任教師と特別支援教育担任教師との「協働」関係が芽生え, 障害の有無に関係なく, 最適な支援のあり方を探る契機となる可能性があること, が明らかとなった。また, 将来の附属学校園における望ましい特別支援体制として, 各校がその実情や地域性に応じた支援体制を整え, 一方, 特別支援教育実践センター及び特別支援教育学講座は, 附属学校園からの要請に応じてコンサルテーションを行う連携体制への移行を目指すことが望ましいという提起がなされた。