言語能力育成を図るため, 言語のもっている特性に着目した研究を行った。本年は, 読みの領域に限定をし, 授業づくりの段階から具体的な方途を示すことを目的とした。
まず, 指導する教材の特性について研究を進めた。
次に, 指導する学年や学級実態に応じて, 仮設を立て, 検証授業行い, 仮説の有効性について考察を行った。仮説について, 以下具体的に示す。低学年では, 物語や詩を教材として取り上げた。物語では, 教材にある言葉と児童の経験を交流し, 詩教材では, 自分の気づきを話し合いで交流を行った。高学年では, 説明文や古典教材を取り上げた。説明文では, 筆者の判断についての解釈を交流し, 古典教材では, 物の見方について作者との比較を行った。
その結果, 教材の特性を取り上げた教材ごとに整理することはできた。だが, 教材特性と児童をどのようにつないでいくかが充分明らかになったとはいえない。