中学校「技術・家庭」家庭分野における着装学習に関する効果的な指導方法を検討するために, 配色やデザインの調和の学習, デザイン画の作成, さらに着用への意欲をもたせる被服製作につながる基礎資料を得たいと考えた。そこで, 本報では, 自己評価および他者評価によってパーソナルカラーを探す活動を通して, 生徒の色に対する認識の実態を把握することを目的とした。ここでは自分らしさを示す単色のパーソナルカラーを探る活動を取り入れ, 相互評価を行うことによって他者からみられる自分について考えさせた。実践は, 広島大学附属三原中学校の3年生を対象に, 2008年12月に行った。
自己評価とともに他者評価を行うことによって, 自己を客観視しやすいことが明らかになった。また, 色の印象評価は, 自分らしさや自分らしい着方をとらえる上で効果的な題材であること, パーソナルカラーという教材を用いることによって, 自己と他者の関係を意識することができることが確認できた。今後, トータルコーディネートの一要素としての色について捉えられるような活動を工夫することが課題である。