学部・附属学校共同研究紀要 39 号
2011-03-24 発行

高等学校における「総合的な学習の時間」を活用したESDの展開(II)

A study on the development of ESD in the classes of integrated studies (II).
岩村 拓哉
全文
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AnnEducRes_39_117.pdf
Abstract
本研究は, 「総合的な学習の時間」を使った地理歴史科・公民科における実践を通して, 学校教育に持続可能な開発のための教育(ESD)を導入するあり方を考察する研究の二年次である。初年次である昨年度は, 地歴公から多面的・多角的に取り組むことでどのようなESD教材が提供されるか, 担当教師である8人の教材がどのように関連付けられるかを考察し報告した。本年次の目的は, それぞれの教材を一層ESD用に深めることであり, 生徒自身の意欲や関心といった態度, 思考や判断といった能力を主眼とする教材開発であった。そのため, 各自の教材を2時間構成から3時間構成に拡大し, 昨年度に進めたESDテーマ内容の基礎的知識理解を確立したうえで, それを活用して生徒に自らの立場に関わる課題ととらえる姿勢をもたせ, 問題解決のあり方を求める場面を教材化した。本年次もまだ, ESDの理論的考察が不十分であるが, その考察は本年次の課題理解とそれに伴う問題解決能力の実践を分析対象として来年次に行う予定である。