本研究の目的は, ①子どもたちが現在及び将来にわたって生きていく社会の中で, 必要な力を育成していくために, 多文化共生社会の視座に立つ小学校外国語活動の単元開発を行うこと, ②単元終了後に記述式のアンケートを実施し, テキストマイニングを使って分析することにより, 実践した単元の効果を分析すること, の2つであった。6年生(38名)を対象に調査は行われ, ベースボールを題材に単元開発を行った。アメリカと日本での野球の言葉の違いを比較することができ, かつ多国籍の選手による多文化共生について知ることができると考えた。児童の感想を分類したカテゴリの関係から, 「外国語と活動を結び付けて捉えており, それらが楽しさと難しさを含んでいる」と感じていること, 「楽しいけれど難しい」あるいは「難しいけれど楽しい」という関係があることが分かった。また, キーワードの結びつきから, 児童は外国語活動を受験や成績, 就職などのための学習と捉えていると言うよりも, 「世界」, 「人」, 「コミュニケーション」を意識した多文化共生につながる学習と捉えている方が強いということが分析された。