本研究は, 学習者が自分のまわりの他者と出会いかかわり合うことをとおして, 自分自身の言葉の世界を広げ, 自らの学びを探究していくことができるようにするための効果的な指導法を開発していくことを目的としている。そこで, 「さまざまな他者と出会い, 問いを立てる」「個の考えを深め吟味する」「他者とともによりよい方法で問題解決に取り組む」「学びの成果を適切に表現する」「学びを振り返り新たな学びにつなげる」という学習のプロセスに留意して単元構成を行った。2年生では, 自分の発想を言葉として表現したものを, 身近な他者に伝える経験を積ませる学習活動を構成することによって, 達成感を感じさせることができた。また, 子どもたちの意欲を喚起し学習に見通しをもたせることで, 発想豊かにお話作りに取り組ませることができた。3年生では, 説明文の内容を地域の行事と比べながら読ませたり, 今まで何気なく経験してきている行事の意味を改めて見つめ直させたりすることができた。また, 既習教材との比較によって, 筆者の意図や論理構成の工夫に気付かせることができた。今後も, 言葉の世界をひらき, 学びを自ら探求する学習のあり方を探っていきたい。