歯周疾患は齲蝕とならぶ口腔の二大疾患である。歯周疾患は中高年に罹患者が多い疾患であるが, 若年性歯周炎のように10代から発症するものもある。今回, 10代前半である中学生を対象に歯周状態について3年間にわたり縦断調査を行う機会を得た。対象は2010年度に本学附属中学校に在籍した中学3年生で, 中学1年生および中学2年生時に歯周疾患に関する口腔内診査を行った生徒68名とした。口腔内診査では, Gingival index(GI), Probing depth(PD)およびBleeding index(BI)を測定した。3年生の91.2%の生徒が歯肉炎(GI>0またはPD>3)を有していると評価された。学年別歯周状態を比較すると, GI, PDおよびBIの平均値は1年生時から2年生時に増加したが, 3年生時に減少し, 歯周状態の改善傾向を認めた。一方, PDが4mmを認めた生徒もおり, 今後集団指導と併せ個別対応を行いたいと考えている。