本研究は中学校・高等学校数学科における教育実習の評価, とりわけ授業実践に関する観点別評価のあり方を改善し, 教育実習の充実をはかるものであり, 本稿はその第4年次報告である。今年度は, 教育実習における教科指導全体を, 授業評価を軸にして実施・検討するという手法で, 教育実習を改善することを目指した研究を行った。その結果, 初めて教壇に立つ教育実習生にも授業を構成する要素や授業評価基準をわかりやすく示すことができる, 指導教員が各々の教育実習生の課題やその推移を把握しやすい, 教育実習の評価をより客観的なものにできるなどの優れた点がある一方で, 授業実践に先立つ教材研究の部分を評価するためには必ずしも十分ではないことが示された。