本研究は教科, 学年などの違いは考慮せず学校単位での実習指導の効果検討を目的としている。実習を通した実習生の意識変容から効果を分析するため, 附属東雲小および東雲中を調査校として実習生対象に事前, 事後アンケートを行った。事前では両校で自信があること, 自信がないことをそれぞれ選択肢から強く思う順に3項目を選択させた。その結果, 東雲中で自信がないことでは教科内容の理解・技能と授業のプラン, 自信があることでは着実な勤務が最も多い。また, 事後で自信が持てたことは子どもとのコミュニケーション, 課題となったことでは教科内容の理解・技能が最も多い。授業のプラン, 子どもの考えの把握, 指導案をどう書くかは事前と比べ事後で自信の度合が有意に高く, 板書では低下していた。東雲小の事前で自信がないことは授業をどう進めるか, 自信があることでは着実な勤務が最も多い。さらに東雲中の実習指導の具体的目標である教壇に立つ意欲の高まりに対する教員の指導の貢献を最適尺度法で解析した結果, 授業評価が最も重要度が高い。東雲小の同様な目標に対しては子ども理解が最も重要度が高いことが明らかとなった。