学部・附属学校共同研究紀要 39 号
2011-03-24 発行

「確かな学力の育成」 : 世界遺産宮島から学ぶ野外教育実践(2010年度)

Learning from experience with unique historical and natural resources of Hiroshima University and in Miyajima (Itsukushima) Island, Hiroshima Prefecture, SW Japan in 2010.
長野 由知
向井 誠二
小早川 善伸
安松 洋佳
加藤 秀雄
平原 友紀
中原(坪田) 美保
金丸 純二
全文
1.12 MB
AnnEducRes_39_325.pdf
Abstract
広島県廿日市市宮島には厳島神社を代表とする文化遺産だけでなく, 弥山原始林を代表とする貴重な自然や室浜砲台など日本の近代化の過程を象徴する遺産が多く存在する。また, 広島大学には理学研究科附属宮島自然植物実験所をはじめとする多くの教育・研究資産が存在する。本研究では, これらのリソースを利用した野外教育実践を行い, その教育効果を明らかにすることを目的とした。また本研究により, 地元社会の歴史や自然に対する理解を深めるとともに, 附属学校における教育効果を高めることもできる。さらに実物に触れ, 体験することで, 理科離れを防ぐ効果も期待できる。テキストとして「宮島の植物と自然」を利用し, 宮島で開催された野外観察会へ希望者を募って参加させるとともに, 室浜砲台などの歴史的遺産について現地を訪れて見学した。また, 宮島の植物についてより理解を深めるため解説を行った。実施後の生徒の感想文では, 自身が気がついていなかった自然や植物に対する見方に関する内容の割合が高かった。また, 日頃直接体験のできない内容についても述べられており, 非常に大きな教育効果が得られた。今後も同様の教育実践を継続して実施する予定である。