本研究は, 新中学校学習指導要領の平成24年度全面実施を前に, その改訂内容を整理するとともに, 英語の授業におけるスピーチ指導に関する実践を振り返り, 効果的な指導を目指そうとするものである。新学習指導要領の言語活動「イ 話すこと」においては, 5つの指導事項のうち, (オ)「与えられたテーマについて簡単なスピーチをすること」が新たに加わった。正しく伝え合うためには, 情報の発信者と受信者の間で, ある程度まとまりのある英文を基に, 意味を持った伝達をおこなう言語活動が必要であるからである。スピーチの指導を通して, まとまりのある英語を発信する力や, わかりやすく伝える力の育成が期待できる。また, 今回の改訂では, 「4技能の総合的な育成」が大きな特徴であるため, これを目指した指導が必要である。研究初年度は, 新中学校学習指導要領の内容を踏まえ, 中学校3年生でのスピーチの指導の在り方を指導案として提案する。中学校最終学年での目標設定や指導内容を提案することで, 今後, 中学2年生や1年生での指導内容を考えていく上での基準にもなり, 系統的な指導につながると考える。