本稿では, 昨年度に報告した広島大学附属中学校において実施した達成水準型中学校地理授業「道路は誰のもの?」と評価に続き, 附属福山中学校で実践した授業の結果を報告し, その評価を検討し, 数量的質的考察を行った。また, 両附属中学校における授業結果の評価の比較考察も行った。
このような報告により, 現在の教科教育研究において求められている, 一人一人の子ども達の達成度を見出すことを試みた。つまり, 子どもたちが授業の結果, どのレベルからどのレベルへ変容し, どのレベルに達成したのかを調べる方法を開発したのである。それを通して, 授業と評価における子どもの達成度を測定し, その水準を考察することで, 学習成長・変容を推測する方法を開発し理論化しようとしたのである。