本研究の目的は, 生徒が英語の基礎的な学力をどのようにつけているかを, 具体的に生徒の声を拾い上げることにより記述分析するものである。特に英単語を書くときの「綴りの覚え方」に着目し, 正確に書けない, 覚えられないといった生徒の声を聞き, 指導法改善に結びつけられるように分析を試みた。研究の実施学校および対象生徒は, 広島大学附属三原中学校2年生83名であった。単語の書き方に対するアンケートをとり, 生徒たちの覚え方の傾向を高得点群, 中得点群, 低得点群の3つに分類して分析した。文字と音を一致させることができる生徒ほど, 高得点群に位置しているが, その覚え方には独自の音のルールを作っているようであった。そして, 一部つまづきの見られる生徒に対してはインタビューを実施し, 記述形式でまとめた。文字と音を一致させることは困難で, そのままアルファベットの読み方で記憶するという課題が明らかになった。今回は, 生徒の傾向をまとめて, 分析したのみにとどまったので, 実際の対策を実施しするところまでに至ってないのが, 本研究を今後の書く指導の工夫改善に役立てたい。