国際化や情報化が進展する現代社会においては, 他者・多国との価値観の違いを認め, お互いの関係を平和的に形成する資質, すなわち国際的な資質が必要となってくる。そのためには, 自分の思考をより科学的なものへと再構成していくことが重要となる。思考を再構成するために, 「観察力」「批判力・推理力」「社会的判断力」の4つの育成すべき力を設定した。子どもたちが, これらの4つの力を高め思考を再構成していくために「子どもたちの既有知識・理解を揺さぶる学習内容と発問」「新しい知識・理解体系を推理させる」「他者と自分の思考を比較させたり, 自分の思考・判断過程をふりかえらせ記述させたりする」などの方略をもとに単元開発を行った。本研究の成果として, 子どもたちは様々な資料を比較したり関連づけたりしながら, より科学的な思考を行い適切な判断ができるようになってきた。今後の課題としては, より子どもの既有知識・理解を子どもたち自身が把握できるツール選定や, 広く深く正しい思考を促すためのノートのありかたや話し合いの仕方など社会科における言語活動の在り方等について研究していく。