小児の口腔の健康増進のために, 学校歯科において, 歯科健診と口腔衛生指導に加えて食事指導を行うことを試みた。指導に先立ち, 歯科健診および口腔衛生指導を行う直前の時期に, 児童の食行動についての調査を行った。対象は平成21年11月に本学附属東雲小学校に在籍していた3年生76名である。食事の品目, 一緒に飲食をした人および食事にかけた時間について, 休日と平日それぞれ1日ずつ2回調査した。その結果, 本校の学童については, 食事のときに必ず主食を摂取していること, 欠食がきわめて少ないことなどが好ましい点としてみられた。その一方で, 食事中に砂糖を含む飲料を摂取している児童がいること, 休日になると砂糖を多く含む飲食物を摂取する頻度が多くなること, 朝食にかける時間が長くないこと, などが指導上着目すべき点であることが示された。今後は, 児童の歯科健診の結果と食習慣との関連性について検討すること, 調査結果を児童と保護者にフィードバックし, 指導効果について検討することを課題として研究に取り組んでいく予定である。