目的: 学校教育において食育指導を実施することが明確に示され, 生涯にわたるヘルスプロモーションのきっかけが得られた。そこで, 具体的な活動・検証につなげるために, 学年・教科でどのように食に関する指導が盛り込まれているかを整理し, 食育に特化した行動目標の作成を低学年, 中学年, 高学年別に試みた。研究方法: 三原幼稚園・小学校の月間・年間指導計画を対象とし, 教科学習内容別に文部科学省が提示した6つの指導目標への対応を整理した後, 指導目標ごとに行動目標を検討した。結果・考察: 食に関する指導は, 幼稚園では5教科のうち4教科, 小学校では16教科のうち13教科の内容が該当した。行動目標を作成した結果, たとえば「食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身につける」という指導目標では, 行動目標が, 低学年の身近な人への感謝から, 高学年の自分の知らないところで食生活が支えられていることに対する感謝に変化した。学校における食育指導が多教科に渡っていても, 系統的に指導できることが示唆された。また, 幼稚園での食育が重要であることが確認され, 連携校でない場合, 幼稚園での食育を引き継ぐ小・中学校における体制作りが課題であると考えられた。