中学校「技術・家庭」家庭分野における着装学習に関する効果的な指導方法について, 授業での学習内容を生かして着装できるようになることを目的に, 検討を行った。まず自己の衣生活を見つめ, 日常の着装行動を自己と他者から評価することを長期休暇の課題とした。また本時では, 色彩に着目しパーソナルカラーを探る活動を行い, 着装学習とその評価活動に関する指導方法に検討を加え, 実践し, その効果を検証した。さらにこれらの評価活動の有用性についても検討した。実践は, 広島大学附属三原中学校の3年生を対象に, 2009年12月に行った。
日常生活の着装行動について評価活動を取り入れた結果, 生徒自身が個々の衣生活を多面的にとらえ, 衣服や着装に対する関心が高まった。デザイン, 色彩, 素材を, TPOに応じて適性を考慮しながら衣服選択していることを, 自己評価を通じて認識するなかで, 生活知と学校知の結びつきが行われていることが明らかとなった。これより, 色のみでなく複合的な着装のあり方を学習できる実践方法として, 自己と他者による評価活動が有効であることが示唆された。今後は被服製作活動への展開を試み, 評価活動との関係性を検討することが課題である。