学部・附属学校共同研究紀要 38 号
2010-03-31 発行

新学習指導要領に向けての授業実践 : 他者の言葉とのかかわり合いをとおして, 言葉の世界をひらく国語科の学習

Practical Approaches to New Course of Study for Japanese Language Education by MEXT : Developing students' language competencies through collaborative learning.
加藤 秀雄
八澤 聡
實谷 富美
全文
1.37 MB
AnnEducRes_38_161.pdf
Abstract
本研究は, 学習者が自分のまわりの他者と出会いかかわり合うことをとおして, 自分自身の言葉の世界を広げ, 学びを探究していくことができるようにするための効果的な指導法を開発していくことを目的としている。他者とのかかわり合いをとおして, 自分の思いを表現し, 知識をもとにした的確な判断を行う学習を積み重ねることで, さまざまな場面で活躍していくための力を育み, 学びを実生活や社会の中に生かしていくことで他者とのよりよい関係を築いていくことにつながると考えた。そこで, 「言葉を学ぶ意欲の喚起」「多様な他者との出会い」「コミュニケーションを大事にした協同的な学び」「認識の広がりや深まりを実感させる場の設定」「表現を磨き合う場の設定」の5点に留意して単元構成を行った。その結果, 4年生では, 筆者の主張について, より深く考えさせ, 教材文の筆者の工夫を, 調べ学習の発表原稿やまとめ方の工夫に生かさせることができた。6年生では, 多くの他者の存在を意識して学習を進め, 本校の子どもたちに報道する事を意識し, 様々な視点からニュース番組を構成させることができた。今後も, 学習者を取り巻く環境を考慮し, 他者を意識した多様な実践を積み重ねていきたい。