今日, 国語科教育では転移できる力, 活用できる力の育成が求められている。本共同研究では, 特に読む力の育成に焦点づけ, 研究を行う。
昨年度は読み手の反応および解釈の変容過程を意識しつつ授業づくりを行い, 反応のタイプと解釈の質との関係について一定の知見が得られた。しかし, 読み手が自らの反応に自覚的であることは未だ十分でないという課題も明らかになった。そして, この課題を克服することは, 今日, 国語科教育において求められていることを実現することにもつながると考えられた。
そこで, 今年度は書く活動を取り入れ, 読み手が自らの読みに自覚的になれるよう工夫することで, 日常の読みに転移でき, 活用できる力を育成できるのではないかという仮説を立て, 授業をとおして検証を進めていくことにした。