生命尊重の心や集団活動を通した社会性の育成が課題として指摘され,異年齢の子どもたちとの交流の場や体験活動の機会の充実が求められている。自然の中での体験を通した育成の試みについては多くの報告例があるがロボットなどの人工物を介在させた場合,どのような実践が可能となるか,どのような効果を期待し得るか等の点については報告例が少なく,検討が求められる。
附属三原中学校及び幼稚園では,災害被災者の救助を模擬した活動として平成18年より,中学校の生徒が技術の授業時間に製作したレスキューロボットを附属三原幼稚園の園児に紹介したり,体験操縦をさせたりする交流会を行っている。これを受け本研究では,異年齢交流やロボットの利用により,遊びを通して幼児期に社会性を身につけさせたり,豊かな情操心を培ったりする支援教育方法を検討した。