文部科学省(2011)の調査によればこの10年程度で公立小中学校教員のおよそ40%の教員が退職する。したがって単純に考えれば同程度の新人教員が採用されることになり,教員の質保証は,これからの日本の教育を考える上で,喫緊の解決課題といってよい。そのため現職教員研修会の在り方は,本質的な課題を孕む。
国立大学附属学校の新たな活用方策が問われる現状にあって,附属学校の得意分野といえる教科指導と教員研修の在り方をクロスさせ,そこに附属学校の存在意義を求めるべきかと考える。本研究では,広島県内の数学教員を対象とした現職教員研修に関するアンケート調査を行い,教員のニーズや現状を把握した。また先行研究を参考にしながら,研修会を企画・実践し,参加した教員の様子を記述することを通して実践力向上に繋がる効果的な研修プログラムの在り方について検討を行った。