学部・附属学校共同研究紀要 40 号
2012-03-26 発行

教育実習の改善に向けて : 英語科実習生の授業意識に関する一考察(2)

For the improvement of English teacher training : A study on student teachers' beliefs about learning and teaching English (II)
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Abstract
本研究は,英語科教育実習の充実・改善への示唆を得るため,「①英語科実習生がどのようなbeliefs(言語や言語の指導・学習に関する思い込み)を持っているのか」,「②英語科実習生と現職英語教員との間にbeliefsにおいてどのような差異があるのか」,「③英語科実習生のbeliefsが教育実習を経てどのように変化するのか」の3つを明らかにすることを目的として行った。

先行研究を元に75の質問項目からなる質問紙を作成し,31名の英語科実習生と10名の現職英語教員から5件法で回答を得て分析を行った。①英語科実習生の特徴として,「演繹的な学習より帰納的な学習重視」,「ペア,グループ活動重視」,「コミュニケーション志向」,「形式よりも内容重視」,「文化的側面の重視」,「生徒の誤りに対する寛容的態度」があること,②英語科実習生は現職英語教員に比べて,「文法を軽視していること」,「誤りの訂正に対して消極的であること」,③教育実習前・後で6つの項目で変化が見られたが,「文法指導」,「誤りの訂正」に関する項目での変化は見られなかったこと等が明らかになった。