本研究は昨年度の同名研究(I)に引き続き学校単位での実習指導の効果検討を目的として行った。実習を通した実習生の意識変容と実習指導の目標達成程度等から指導効果を分析するため,附属東雲小および東雲中を調査校として実習生対象に事前,事後アンケートを行った。事前アンケートでは両校とも,教員として必要な資質・能力・技能と実習で実践すべきことに関する22項目それぞれについて自信の程度を5件法,事後では事前と同じ項目について自信の獲得程度を5件法で質問した。事前,事後で回答者をペアとして対応させ個々の変容を解析したところ殆ど全ての項目で実習後に高まっていた。また,事後アンケートにおける実習指導内容項目の有効感に関する回答(4件法)および教職に対する意欲高揚に関する回答(4件法)は両校とも高いレベルであった。また実習指導の各項目の回答分布と意欲高揚に関する回答分布の関連を解析した結果,両校とも授業に直接関わる指導に有意な関連が見いだされた。特に中学校では実習生が授業の評価について自信を得ており,かつ,授業評価指導に対する有効感と教職への意欲向上との有意な関連が明らかとなった。