各中・高等学校は学習指導要領に基づき,生徒に求められる英語力を達成するための学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形で具体的に設定することについて提言が平成23年になされてから,平成25年には『各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き』が公表された。このことを背景として,本研究は学習到達目標が学習指導要領に基づいた「CAN-DOリスト」を作成することを目的とした。作成にあたり,「CAN-DOリスト」における能力記述子は学習指導要領に準拠し,CEFR-Jにおけるそれとの整合性を図った。また,広島大学附属小学校が英語科として体制を整え,小学校1年生から外国語活動を取り入れていることから,附属中・高等学校の6年間に加えて,附属小学校を含めた12年間を見通した「CAN-DOリスト」の作成を試みた。加えて,学年ごとに様々な評価材や評価方法を集積するための評価フレームを構築し,「CAN-DOリスト」の中へ組み入れた。このことにより,授業内外で行われる評価と学習到達目標との関係がより明瞭になり,評価規準や判定基準の共有化が図られるようになった。評価を組み入れた「CAN-DOリスト」の在り方を提言する。