本研究の目的は,近年の子どもたちをとりまく危険や犯罪,災害から身を守るための教育活動を見直すことを目的としている。平成21年6月18日に施行された学校保健安全法でも,学校安全の充実が述べられている。新学習指導要領においても,中学校の保健体育や小学校の理科・社会科,特別活動等においても防災教育の充実が求められている。特に東北関東大震災から明らかになった安全教育の課題を明らかにし,今後,幼小中の体系的学校保健安全教育プログラムの作成と単元開発を行う。
そこで,研究初年度である本年度は,本学園の保護者が家族の健康管理や身の回りの安全対策をどのように認識しているかを明らかにし,学校教育と家庭教育の充実を図る方策を探るために,保護者の意識調査を実施し,考察を行った。今回の調査結果では,保護者は自然災害に対して無関心ではないが,具体的な自然災害時の対応策については,話し合われていない家庭が多いという実態が把握できた。今後は,他教科との関連を踏まえた総合的な単元開発を行うとともに,心のケアについても扱っていく必要があると考えられる。