学部・附属学校共同研究紀要 Issue 40
published_at 2012-03-26

知的障害のある児童生徒の自己肯定感を育む授業づくり : 小学校・中学校特別支援学級における体系的な授業モデルの開発

Lesson activities instilling self-esteem in students with intellectual disabilities : Developing the structured approach in special education classes at elementary and middle schools
Okuno Masatsugu
Nakayama Miyo
Takasaka Hidenori
Yamagata Emiko
Ochiai Toshiro
Kifune Noriyuki
Oshika Aya
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510 KB
AnnEducRes_40_53.pdf
Abstract
近年,学校教育においては,複雑化,多様化していく社会の中で,自ら様々な課題の解決を図り,主体的に周囲と関わっていくための力を育てていくことが求められるようになっている。そうした力の基礎となっているのが,周囲の他者との関係の中で,自分が価値ある存在であることや自分の存在を大切に思う気持ちである自己肯定感であり,学校教育の中で,児童生徒の自己肯定感を高めていくことが求められており,特別支援教育においても例外ではない。本研究では,自己肯定感を「自分の評価を行う際に,自分のよさを肯定的に認める感情」と定義し,自分はかけがえのない存在,価値ある存在として認める自尊感情が育まれる際に働くプラスの感情ととらえた。自尊感情には2つの領域として,「基本的自尊感情」と「社会的自尊感情」があるとする。これらの考え方に基づき,授業を再検討していきながら,小学校・中学校9年間の体系的な授業モデルを構築することを目指す。