学部・附属学校共同研究紀要 41 号
2013-03-22 発行

教育実習の在り方について : 理科における教育実習改善に関する基礎的研究(Ⅲ)

Improvement of the teaching practice for science teachers(3)
柏原 林造
全文
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Abstract
この研究は,広島大学附属福山中・高等学校での,理科における教育実習の改善を目的として行う研究の3年次である。1・2年次の研究では,実習生に事前・事後の質問紙調査を実施し,実習生の状況把握に努めた。またその知見に基づいて,教育実習指導の改善について検討してきた。3年次の本研究では,授業観察とその後の討議のあり方についての改善方法を, 授業観察の「視点の提示」-授業観察の「視点の深化」-授業観察の「視点の拡張」の3段階として設定し,それぞれ,オリジナル授業観察録の利用,ワークショップ型の討議の導入,他の科目の授業観察という内容で実施し,検証をおこなった。授業のねらいや構成に主眼を置いて授業の批評会を実施し討議を行うことで,授業者,授業観察者ともに成長が確認できている。別の授業構成は考えられないだろうかという視点から議論が深まっていった批評会もある。よりよい授業にするための改善点を,建設的に提案できる批評会も増えた。実習生の成長が,実習生の記述等からも確認できたこと,そして指導教員が実習生の成長を感じられたことから,本研究の実施内容には,一定の成果があったものと考えている。