本年度からは,東日本大震災以降高まる防災への意識,地域防犯,交通発展における危険性,これらを総合的にとらえることにより,「安全な環境」の構築という観点から環境保全的提案能力を育成することを目指す。具体的には,生活環境(自宅,通学路,学校)に関する「安全・危険」のテーマでアンケートを行った。次に,そのアンケートをもとに,ワークショップを行った。ワークショップでは「安全・危険」を「防災・防犯・交通安全」の3類型の観点から捉えなおし,言葉を用いての提案だけでなく,五感アイコンを用いた提案作業を組み込み,災害のような非日常的な問題を日常的な交通安全などの問題と結びつけながら,児童にリアリティのある問題として再構成し,環境保全的な意識の向上を促す授業の構成を検討した。結果として,安全性を五感で捉えることに関しては,安全性を総体的に捉えて,それを「さわる」アイコンで表現しようとしている傾向が認められた。個人差はあるもののアイコンを自由に使いこなし,より多様な提案へつなげていく事ができる可能性が認められた。