本研究では, 児童と国際歯学コースを開始した広島大学歯学部学部生および外国人留学生との食事や口腔保健を織り交ぜた継続的な交流を通して,児童の「伝えたい」というモチベーションを向上させること,異なる文化を理解するきっかけを与えること,自己理解を深めることを目的とした。初めての交流会であった第1回国際交流会は,自分たちで何かを伝えることと相手の国についての理解のきっかけづくりとして有意義なものであった。特に,英語や外国語を学ぶ必要性のみならず,児童が語学だけではないコミュニケーションの方法や自分から積極的に働きかけること,自国や他国の理解の重要性に気づきが得られることが示唆された。現在,国際歯学コースが開始されている学年は歯学部の低学年である。第1回交流会を糸口として児童,学生の学年進行に伴い日本人学生および外国人留学生が協同した口腔衛生活動を絡めた継続的な交流を通し,国際交流と連携した児童の口腔衛生への気づきを生むプログラムの開発につなげていきたい。