広島大学心理学研究 Issue 7
published_at 2008-03-31

「個」と「関係性」からみた青年期のアイデンティティと対人関係上の困難との関連

Individual-based identity and relatedness-based identity, and difficulty with interpersonal relations in adolescence
Yamada Miki
fulltext
9.35 MB
HPR_7_159.pdf
Abstract
本研究では、近年アイデンティティを捉える視点として検討が進められている「個」と「関係性」と、対人関係上の困難の様相と、困難への対処に見られる特徴を検討した。山田・岡本(印刷中)で見出された4つの群に属する大学生を対象に、半構造化面接を実施した。得られた語りを整理し、(1)対人関係上の困難の内容と、(2)困難への対処の仕方の2つの観点から4群間の相違を検討した。その結果、(1)困難の内容については、アイデンティティの成熟に従い、相手からの影響ではなく、自ら行動を起す際に困難が生じること、「関係性」優位群では、他者との距離自体に困難を感じるのに対し、「個」優位群では、自分と集団が区別され、その関係において困難を感じることが示された。(2)困難への対処については、アイデンティティの成熟に従い、解決に向かう方法を取ること、「関係性」優位群では、困難な出来事が生じた場合、解決は諦めるがその場の関係は維持し、「個」優位群では、困難な出来事自体を回避する傾向が示された。
Keywords
「個」としてのアイデンティティ
「関係性」に基づくアイデンティティ
青年期
対人関係上の困難