広島大学心理学研究 7 号
2008-03-31 発行

大学生の職業選択未関与におよぼす自己効力感と親や友人からのサポートの影響

Influences of self-efficacy and supports from parents and friends on undergraduate students' vocational commitment
松田 由希子
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Abstract
本研究では、大学生の職業選択において重要な段階とされる関与段階には親や友人からのサポートおよび自己効力感がどのように影響しているのかについて検討した。大学生165名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙は、親からのサポート、友人からのサポート、自己効力感、未関与に関する4つの測度から構成された。親や友人からのサポートは自己効力感を介して未関与に影響すると仮定したモデルを検証するため、共分散構造分析を行った結果、十分な適合度が得られた。パス係数を男女別に算出したところ、男女共に自己効力感は未関与に有意な負の影響をおよぼすことが示された。また、男性の場合には親からのサポートのみが自己効力感に有意な正の影響をおよぼすのに対して、女性の場合には友人からのサポートのみが自己効力感に有意な正の影響をおよぼすことが示された。以上の結果から、大学生が職業選択において積極的に関与するためには自己効力感を高める必要があること、さらに、自己効力感を高めるためには男性ならば親からのサポート、女性ならば友人からのサポートが有効であることが示唆された。
著者キーワード
職業選択
未関与
自己効力感
親や友人からのサポート
大学生