本研究では、青年期を対象に、死の不安と「死」・「生」・「自己」のイメージとの関係を検討した。死の不安を測定する尺度として、Templer(1970)のDeath Anxiety Scale(DAS)を用いた。イメージを測定するための尺度として、独自に作成した単独SD法を用いた。その結果、青年期における全体的傾向として、「死」はネガティヴなイメージであり、「生」・「自己」はポジティヴな、「死」とは異なるものと捉えていることが明らかとなった。但し、DASで測定される死の不安の高さによって、「死」・「生」・「自己」のイメージは異なり、死の不安の高い人は、「自己」が「生きる」ことに充足感や成長可能性を感じ、「死」はその自己の生に有限性を与え、喪失させるネガティヴなものとしてイメージされており、それゆえの死の不安の高さであることが理解された。一方、死の不安が低い場合、「死」・「生」・「自己」について距離を置いたイメージで捉えていることが、不安の低さと結びついていると考えられた。