広島大学心理学研究 7 号
2008-03-31 発行

幼児の模型空間における再定位研究の展望

A review of young children's reorientation in a small-scale environment
多田 幸子
全文
13.5 MB
HPR_7_255.pdf
Abstract
本稿では、幼児を対象とする模型空間における再定位研究を、移動可能空間での研究とともに紹介し、得られた知見を包括的に捉えることを試みた。情報利用の点から概観することにより、再定位の発達には複数の要因が複雑に絡み合い作用していることが推察された。それを踏まえて、先行研究での知見を説明するために提案された、幾何学的モジュール説と適応的結合説に言及した。そして最後に、それらの理論的枠組みが有する再定位プロセスの見直しを課題としてあげ、模型空間における再定位研究の発展方向について考察した。
著者キーワード
空間定位
空間認知
認知発達