本研究では、大学生を対象に、サポート機能別にソーシャルサポートの互恵性の変化と抑うつとの関連を検討した。予備調査ではサポート機能を分類できるような項目を作成するため、大学生62名(男性26名、女性36名)を対象に質問紙調査を実施し、サポート項目の因子分析を行った。その結果、サポート機能は助言サポート、贈与サポート、協同サポートの3因子に分類された。本調査では予備調査で選定された項目を用いて、大学生67名(男性21名、女性46名)を対象に縦断的に2回(T1、T2)の調査を実施した。共分散分析の結果、男性では互恵性の変化と抑うつとの関連が示されなかった。しかし、女性ではT1からT2にかけて贈与サポートの互恵性が減少した群は、互恵性が増加した群と比較して、T2における抑うつ尺度の主感情と心理的随伴症状が有意に高いことが示された。