広島大学大学院教育学研究科附属教育実践総合センターでは, 学習支援を実践するための学生の力量形成と, 地域の小学生に対する学習支援サービスの提供に取り組んでいる。本研究では, 平成22年度前期・後期の学習支援プログラムに参加した小学生31名とその保護者31名を対象に, 学習支援プログラムが小学生に及ぼす効果について検討した。小学生には2種類の質問紙調査を実施し, 保護者には1種類の質問紙調査を実施した。小学生の「算数に関する自己効力感」「算数に関する学習観」の, 事前調査の得点と事後調査の得点との間に有意な差はみられなかった。また, 小学生も保護者も, 大学生の力量による効果を高く評価しており, 学習支援プログラムに参加したことに満足していたことが確認された。また, 大学生の力量による効果が高く評価されるほど, 小学生の算数への関心が高まり, 学習支援プログラムに対する満足感が高まると, 小学生も保護者も認知していたことが明らかとなった。