広島大学大学院教育学研究科附属教育実践センターでは, 将来教員を目指す学生を対象に, 学習支援を実践するための学習支援プログラムが実施されている。本稿では, 平成22年度前期の学習支援プログラムに参加した大学生3名を対象に, 学習支援プログラムが彼らの教育に対する態度や力量形成にどのような影響を与えるかを調べた。その際, 質問紙による調査に加え, 学習支援に関わる概念をカテゴリ分けする課題やスーパーバイザーによるヒアリングを行い, より詳細に学生の変化をとらえた。また, スーパーバイザーは, 自らをモニタリングし, コントロールしながら指導を進めるよう指示した。結果として, 学生は学習支援プログラムに参加することによって「指導技術」「了どもとの関係」「意欲に着目した指導を行う」など, 学習支援に必要な様々な態度やスキルを身に付けたことがわかった。しがしながら, 知識の形成や自立的な指導に関しては不十分であり, 今後, カウンセリングの実施に併せてこれらの形成に着目した指導を学生に行うことが必要であることが示された。