学習支援を実践するための学生の力量形成と地域の小学生に対する学習支援サービスの提供に取り組んでいる広島大学大学院教育学研究科附属教育実践総合センターでは,算数の学習支援を中心とした学習支援プログラムを平成20年度から実施している。本研究では,平成23年度前期・後期の学習支援プログラムに参加した小学生とその保護者を対象に,学習支援プログラムが小学生に及ぼす効果について検討した。当プログラムに参加した小学生のべ28名を対象に,プログラムの前と後で質問紙調査を実施した。その結果,小学生の「算数に関する学習観」の事前得点と事後得点との間に傾向差がみられ,事後で得点が高くなる傾向がみられた。平成20年度から各期で当プログラムの効果を検証してきたが,これまではこのような結果はみられていなかった。また,これまでの検証結果と同様に,小学生も保護者も,大学生の力量による効果を高く評価しており,学習支援プログラムに満足していたことが示された。大学生の力量による効果が高く評価されるほど,小学生の算数への関心が高まり,小学生と保護者の学習支援プログラムに対する満足度が高まることが確認された。