本研究では不登校学生を理解するための大学教員の観点を明らかにした上で不登校学生をタイプ分けし,各タイプに対する教員の支援方法について検討することを目的とした。79名の大学教員から回答を得,そのうちの51名の教員に不登校学生の担当経験があった。調査の結果,教員は「無気力」,「適性の問題」,「心理的問題」,「対人スキルの問題」という4つの観点から不登校学生を理解していた。また,教員から見た不登校学生は「アパシー群」と「心理的問題群」,「不明群」にタイプ分けされ,各群に対する教員の支援方法は異なっていた。このことから,教員が不登校学生を支援する際には,不登校学生の特徴を教員の観点から把握し,その特徴に応じた支援を行っていることが示唆された。